よろず屋雑記帳
会社の売買・引継仲介というちょっと変わった仕事をしている事務所です。 仕事のことやそれ以外の事など、いろいろなことを気ままに書いていきたいと思います。
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会社を買う人たち
雨降りの月曜日というのはお客の入りがあまり良くない。 出している広告が夕刊というせいもあるが、昼時を過ぎた頃でないと問い合わせも少ないので静かなものである。 とはいえ、事務的な仕事はあるので必ずしも暇というわけではない。 今日のような雨の降る日など、薄暗い空を眺めながら粛々とした時間が過ぎるので、何とも憂鬱な気持ちになる。

よくある質問に、「どんな人たちが会社を購入するのか?」というものがある。 「いろいろな方々にご利用いただいています。」とその都度正直に答えるようにしている。 現役のサラリーマン、職人さん、いろいろな会社の社長、店をやっている女の人、会社を定年退職した年配の方等々、本当に多岐にわたる。 中にはコワモテの感じの人もいるが、そうかと思うと、学校の先生のようなガチガチの研究者タイプの人もいたりする。 何しにみえたのか意味不明な何だかよくわからない方もいるのだが、萬屋だから何でもありということで、お茶を飲みながら一時間くらい難しい話に耳を傾けることもある。 (こんな方々の話でも、よく聞くと「結構うまいこと考えますな」と感心することがたまにある。)

先日ホームページを更新した際にも触れたが、最近少しずつ増えてきているのが外国の方の利用である。 英語での対応は行っていないのでアジア系の方々が中心だが、出身国は様々。 台湾、中国や韓国を始め南アジア、北米、南米、アフリカまで様々な国の方々に利用いただいている。

元々、休眠会社の需要は「在日」と呼ばれる以前から日本に在住している外国人の間では多く、同業者の中にもそのような方々が多くいらっしゃる。 ホームページの方でも少し触れたが、日本のように閉鎖的な社会では「外国人」であることは様々なシーンで大きなハンデとなりうることで、私ども日本人と「少しでも近い条件でフェアにビジネスをしたい」というのはこういった方々にとって切実な願いである。 その点において「法人化」というのはハンデを小さくする1つの有効な方法であり、より簡単な手続きで「法人化」が出来る休眠会社の買取はとても重宝するシステムといえる。 法人化すれば日本名で役員登記することにより日本のビジネスマンとして営業活動することも可能であるし、かつ(法人を営まれる他の全ての方々と同様に)「個人としての自分」と「法人としての自分」という1人にして2人の活動主体を手に入れて臨機応変に使い分けながらの行動が出来るようになるという大きなメリットがあるのである。

又、こうした方々はビジネスや社会そのものを私ども日本人から一歩隔てた冷めた視点で見ていられるためか、法人や会社といった存在に対する接し方も非常に割り切っている方々が多いようだ。 日本の事業者の方々の多くが、会社という存在を人あるいは自分たちの集まりの組織ととらえるのに対し、あくまでもビジネスの道具あるいはビジネスを行う上での無形の資産と考えられている方々が多い。 この考え方はどちらかというと、(「モノとしての会社」として)休眠会社の取引などが法律事務所や会計事務所を通じて日常活発に行われているアメリカや香港などの事業者の方々の考え方と共通するものがあるのかも知れない。 日本という自然に成立した国で生まれ育った私どもにとっては、たとえ目には見えない経済活動の便宜上の制度であっても「人」のような存在に対して道具という態度で接していくのには抵抗を覚えてしまいがちだが、アメリカや香港のように多民族や多文化の人々が集まって人工的に成立した政府の下で生きている方々の間ではこのような主観的・情緒的な感覚よりも、むしろ商業活動を行う上での一種の権利としてとらえる意識の方が強く、この意識は日本という国や社会に対して一定の距離を置いて客観的な立場で接している在日の外国人の方々にとっても同様に当てはまると言いうるからだ。

最近の投資ファンドやM&Aブームを見ると、私たちの会社に対する見方や考え方も「外国人」的な考え方に近づきつつあるようだが、国境を越えたビジネスが日常生活でも避けられない今、彼らから学ばなくてはならないことは沢山あるのではないかと思う。

テーマ:思ったこと、考えたこと - ジャンル:ブログ

最低資本金制度が撤廃されて
 しばらく間が開いてしまったが、夏も無難に乗り切りいつものように秋を迎えた。
 
 5月に新しい会社法が施行されて、開業支援や会社仲介の仕事がどのように変わってきているのか興味を持たれている方もかなりいらっしゃるようだが、今のところ「特に大きな変化はない」というのが正直なところである。 
 簡単に株式会社が設立出来るようになって特に新規開業のお客さんは減るのではないかと心配する向きもあったが、意外に旧制度の条件の会社も根強い人気がある。 最低資本金制度は撤廃されたものの低い資本金の会社では取引先などに格好が悪いという理由が主なものだが、まだ制度が変わって間もないので周りのほとんどの会社は旧制度の会社ということで比較されるとハンデを感じる人が多いようだ。 「1000万円(旧制度下の株式会社の最低資本金)」という金額は資産的な信用が求められるような特定の業種以外、徐々に意味をなさないものになってくるかも知れないが、私どもの見る限り「300万円(旧制度下の有限会社の最低資本金)」という線はもうしばらくの間は意識されるかも知れない。 「有限会社よりも資本金の小さい会社」というと経済的な信用面で不安視されるし、何よりも家族経営の零細事業者に自分の会社の説明をする際に少しばかり恥ずかしい思いをするかも知れないからだ。 当社を利用されるお客様の中にも会社を立ち上げてすぐ「事務所を借りる契約をしたい」とか「事務機のリース契約をしたい」という方々が多いが、契約に際して信用の問題を意識されてあえて「資本金300万円以上」あるいは「500万円以上」の会社にしたいと要望されるケースが多い。 純粋に個人事業を税務などの便宜上法人化したいといったような方々は別だが、安易に低額資本金で会社を立ち上げても後で増資手続きするハメになりかえって高くついてしまったというようなケースもあるので十分注意された方がいいと思う。

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梅雨明けを前に
梅雨が未だ明けていない為か空は相変わらずすっきりしないが、とにかく暑い。 品川の駅の向こう側には次々と新しいオフィスビルが立ち上がっているが、どこも空調完備で快適そうでうらやましい。 こちらはマンションタイプの雑居ビルなので暑い日などはエアコンが行き渡らなくて少々つらい。 (場所によっては「寒い」という人もいるが・・・)

この商売、意外に時期によって波があり、食べる時間もないほど忙しい時期もあれば、暇をもてあますような時もある。 ちなみに今は暇な時期で、このブログを立ち上げを思い立ったのも時間があってのことである。 これから先、いつものパターンならば、梅雨明けから旧盆の夏休み前にかけて再び忙しくなり、休みが明けてしばらく過ぎると静かになる、といった具合になる。 休みの直前に忙しくなる理由は、士業やコンサルタントなど仲介業者の方々の動きが活発になるからである。 理由は明快で、休み前の資金が必要なのだ。 サラリーマンの方々ならばたいてい7月にボーナスが出て、今頃は旅行や里帰りの準備を考えている時期なのだが、個人で独立して仕事している人にはほとんどのケースそんなものは存在しない。 だから休み前に一仕事して自分で「ボーナス」を稼ぐことになる。 時に真夏の暑さ同様の熱気を帯び、価値のある物件になると業者さん同士の取り合いになるようなケースもあるが、複数の問い合わせをたどってみると実は元の依頼先は同一だったなどという話もしばしばある。 当社としては何方が購入されるにしても、大切なお客様であることにかわりはないので、元の依頼者の方にも満足していただけるように十分準備を整えてお待ちするようにしている。

このように書くと、中には「会社を高く買わされているのでは?」と不快に思う方もいらっしゃるかも知れないが、こと会社に関しては雑貨などの商品とは性質がかなり異なるので、「高い安い」で全てを決めるのも考え物であると経験上感じている。 これは本格的なM&Aについても当てはまる事かも知れないが、会社というのは商品そのものよりも活用法によって価値が全く異なってしまうからだ。 例えばAという人が、社歴や実績があり財務内容も非常にクリーンな会社を購入したとして、会社自体は申し分ないいいものであったとしても、それを自信のビジネスに活用できなければ何の価値もなく、例え安く購入できたとしても会社の立ち上げ費用分がまるまる無駄になってしまう。 反対にその会社の長所をフルに活用して、商談などを次々とまとめることが出来れば、購入に少々高くついてもおつりが出てしまい結果的に「いい買い物だった」ということになる。 つまり会社というのはそれそのものの価値以上に、実際の引継者となる購入者の活用の仕方にによって価値が決まるのであり、特に購入者自身に活用の具体的ノウハウがない場合、多少高くついても活用の仕方を知っている仲介業者を通して購入した方がいいというケースも多々あるのだ。 つい最近までの名残のためか、どうも私たちはソフトウェアやコンサルティングといった「見えないモノ」に対して金を払うという行為に慣れていないため、受け取る方も払う方も「相談料」という名目で多額の金のやりとりをすることに抵抗を感じてしまいがちだ。 仕方なく受け取る方としては会社という「見える(認識しやすい)モノ」にプレミアムをつける形で報酬を受け取る形を取らざるを得ないのだが、「結果的に利益になるかどうか」という視点で考えれば多少の仲介料は払ったところで必ずしも不合理な事ではないということに気づくべきである。

うだるような猛暑の中を汗だくになりながら、「これからお客さんのところへ持っていきます」と資料を受け取りにみえる方々を見送りながら、「誰か(商談を)決めてくれるといいんだけどなぁ・・・」という(こちらも夏休みの小遣いが欲しい)社長のつぶやきを聞くのももうじきだろうか・・・

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